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【はじめに】(雇用保険とは?)
現在、わが国の景気は決して良いとは言うことが出来ません。
解雇はもとより、倒産は個々の労働者の能力に直接関係無く起こりえることです。
仕事はしたいのだけれども・・・なかなか次の仕事に就けない。
この期間中、何も無ければ、貯金はどんどん減っていくばかりです。
こういった働く意欲や意思があるにも関わらず、仕事に就くことが出来ずに苦しんでいる人の転職や再就職を支援するのが、雇用保険の大きな役目となっています。
雇用保険の目的とは?
では、もう少し、雇用保険とは、どのような目的で制定されているものなのかを見てみましょう。
まずは、条文より。
【雇用保険法第1条】
雇用保険は、労働者が失業した場合及び労働者について雇用の継続が困難となる事由が生じた場合に必要な給付を行うことにほか、
労働者が自ら職業に関する教育訓練を受けた場合に、必要な給付を行うことにより、労働者の生活及び雇用の安定を図るとともに、求職活動を容易にする等その就業を促進し、
併せて労働者の職業の安定に資するため、失業の予防、雇用状態の是正及び雇用機会の増大、労働者の能力の開発及び向上その他労働者の福祉の増進を図ることを目的とする。
● 解説
雇用保険制度では、失業保険の給付をメインの事業としていますが、実は、その他にも
労働者が教育訓練を受けたときに必要な給付金を支給する教育訓練給付制度、
労働者が就職しやすいように支援し、労働者の職業の安定を図る雇用安定事業
労働者の能力を向上させるための能力開発事業、
失業を予防したり、雇用の機会を増やし労働者の福祉の増進を図るための雇用福祉事業なども行っているのです。
つまり、雇用保険制度というものは、単に失業手当の支給を行うだけの制度では無く、
教育訓練給付金の支給や雇用安定事業、能力開発事業、雇用福祉事業などを行うことにより、総合的に
労働者の失業の防止、再就職の促進を図ろうとする制度なのです。
雇用保険は憲法で保障された権利
憲法27条では、「すべての国民は、勤労の権利を有し、義務を負う」と規定されており、国は、国民に対し勤労権の保障を行っています。
ですので、雇用の場を提供することが国に義務として課されているように思えてしまいますが、資本主義の社会では『失業』というものは、必ず起こるものです。
よって、現実的には、国が直接、雇用を提供することにより、勤労権の保護を行うというのは、不可能といえます。
では、どのようにして、国は、国民の勤労権を保護しているのでしょうか?
答えは、ズバリ、雇用保険です。
国が直接、雇用を提供することによって、国民の勤労権を保護するのでは無く、失業中の労働者の生活の安定を図ることにより、国民の勤労権の保護を行っているのです。
雇用保険は、昭和22年に『失業保険法』という名前で制度化され、 その後、「失業の予防」にも対応すべく、昭和49年に『雇用保険法』として改めて公布され、
何度かの改正を経て、現在の状況に至っています。
このように、雇用保険は、間接的ではありますが、憲法27条の勤労権を根拠に、成り立っている制度なのです。
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